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判例詳細

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芦屋三八商店街事件

(1)芦屋三・八商店街

 芦屋市の南部阪神電鉄芦屋駅付近は、芦屋市内ではもっとも歴史のある商業エリアで、本通り商店街、三・八通り商店街という2つの南北へ延びる商店街とそれを東西に結ぶ甲南市場が展開していました。現在ではJR芦屋駅北側の再開発による集合店舗が芦屋市の商業センターとなっていますが、三・八商店街は3日と8日に市の立ったことから生まれた歴史のあるものでした。

(2)芦屋市からの唐突な命令

 ところが、1975年の春、この商店街の店主達に対して芦屋市建設課が突如芦屋市道に各商店がはみ出し不法占拠をしているから店を壊して道路をあけよと通告してきました。
 何十年もほとんど変わらない商店街の各店舗に対して一体何事か、地方公共団体は住民の意向を体現して行政を進めていくものだから、当然商店主達とじっくり話を続けて行くものと商店主達は楽観していました。

(3)強引な聴聞

 ところが芦屋市は、商店主達の考えもしない問答無用の強硬な姿勢で、道路法に基づく商店の除却命令をだすための聴聞手続きを強行しました。そして除却命令を出して、無理矢理商店主の店舗を壊そうと手続きを更に進めました。

(4)執行停止

 芦屋市によって強引に店舗の除却を実行されれば、これまで数十年にわたって営々と続けてきた営業の存続も危ぶまれると、追いこまれ、意を決した商店主達は、神戸合同法律事務所へ相談にやって来ました。そこで、これは、訴訟なしで行政の命令による強制実力行使であるから、この手続きを裁判所の力をかり、止めなければならないと言うことになり、神戸地方裁判所へ商店の除却命令の執行の停止を求める裁判を起こしました。
 そこで商店主らは、数十年に渡し平穏に営業を続けてきて、道路を使用する住民にも何らの迷惑や負担を掛けていないのに、芦屋市が強行しようとしている店舗の除却が強行されたら、商店主らに取り返しの付かない損害を被らせるし、商店街自体が崩壊するので、本裁判が終わるまで、執行を停止するように求めました。
 当時の裁判所は、商店主の言い分を真摯に受け止め、芦屋市にストップをかけました。

(5)本訴訟と解決

 こうして除却命令が違法かどうかという大本の本訴訟がはじまりました。いろいろ追求するうち、芦屋市は芦屋市道と商店主達の店舗敷地との境界をはっきり確認する手続きをしていないところが多数にのぼることが判明しました。商店主の死活の利益に関する店舗を強権によって毀そうした芦屋市にしてはあまりに杜撰なやり方で有ることが明るみに出たのです。
 そして裁判は、芦屋市が現状を変更せず、今後芦屋市道と店舗の敷地の境界を確認する作業を進めていくことで合意され裁判は終わりました。
 こうして商店街は守られたのです。
文責:髙橋 敬

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